子猫の譲渡について

札幌は冬は雪に覆われてしまうため、お外の乳飲み子は収容がなくなり、成猫の保護もしていますが、ねこたまごは、基本は乳飲み子の保護活動を中心に行っています。
現在、6ヶ月未満で避妊・去勢手術をしていない子猫を譲渡の際には、成猫とはまた別のご理解を頂いてることがあります。

以下の2点です。

  1. トライアルはしていないこと
  2. エイズ白血病検査はしないこと

①トライアルはしていないこと

理由ですが、まず①は、子猫は体調が変化しやすく、医療の対応が遅れてしまうと子猫の場合は致命傷になることもあります。
また、この時期は社会性を育む大切な時期でもあります。体調だけでなく、精神面でも大きく後に影響します。
1週間でも、あっという間に大きくなってしまう子猫にとっては貴重な時間です。その大切な大切な時間を、トライアルという不確かなもので終えてしまいたくないのです。

子猫の1週間は1年にも値します。人間の子供に置き換えて考えていただくとわかっていただけると思います。
「うちの養子に・・・」と考えている幼い子を1年間だけお試しして、うちには合わないからと返せるでしょうか。 代理母として育てている親心をご理解ください。

それと、レンタル感覚でのお試しを防ぐためです。 もちろん、ほとんどの方は愛護精神のもと、真剣にお迎えを検討くださいますが、悲しいことに中には可愛いから、少し家でみてみたい・・という安易な考えの方もいらっしゃるのです。
家族として覚悟を持ってお迎えしていただきたいのです。 先住猫との相性を気にされる方もいらっしゃいます。それは当然のことですし、お気持ちは良くわかります。ただ、幼猫の場合、最初は相性が良いように見えても成長とともに力関係が変わり、後になってから不和が生じることもありますし、また、その逆もあります。 もちろん、お迎え後、早期にどちらかに重度なストレス反応が見られた場合は相談の上こちらに戻していただくこともあります。 ただ、最初からトライアル前提では譲渡しておりません。 メリットよりもデメリットの方が大きいと判断してのことです。 この点をご理解いただける方にお願いしております。

②エイズ白血病検査はしないこと

ご存知の方も多いと思いますが、6ヶ月未満の子猫のエイズ白血病検査は正確な判定が出来ません。陽性と判定されても、6ヶ月を過ぎてからの検査では陰性となることもあります。 また、出生時に母親からエイズや白血病をもらった子は、まず成長することはありません。乳飲み子のうちに亡くなってしまいます。(もちろんこれも100%ではありません)

感染症のリスクは、他に沢山あります。もし、どうしてもリスクを気にされる方はエイズ白血病の正確な検査ができる6ヶ月を過ぎた成猫か、両親の健康状態を正確に把握することが出来る良心的なブリーダーさんかペットショップからのお迎えが良いかと思います。
(ねこたまごの飼い主の方で、ペットショップで購入された先住ちゃんがエイズだったという方もおりましたが・・・)

私たちの猫たちは保健所からの保護猫で、両親の病歴、健康状態、出生状況など正確に知ることは出来ず、何らかのリスクはいつも持ち合わせています。
その点をご理解頂いて、ありのままで受け入れてくださる方にお繋ぎするよりありません。

全ての方の思いにお応えすることが出来ませんが、保健所からの乳飲み子レスキューという活動をこれからも長く続けていく上でご理解いただきたい点なのです。